2005/3/17 木曜日

豊田家はトヨタにとっての求心力

トヨタは3世代続いて豊田家以外からの新社長を選任します。そして豊田家の豊田章男専務(48歳)を若くして副社長に昇格させています。

トヨタの奥田会長はインタビューに答えます。「一つには(豊田章男氏に)実力がついたことがあるが、豊田家はグループの旗であり求心力という考え方もある。実力があれば次(の社長)ということもある。」

米国フォードは創業家から経営トップを出していますが、フォード家はフォードの筆頭株主。一方で豊田家の保有は発行済み株式の3%未満のようです。

トヨタの張社長も「創業家が範を垂れてくれれば(求心力は)ずっと続くと思う」と発言しています。

(日経2005.2.10.)

創業家の存在と経営とのあり方との葛藤の中にいる奥田会長と張社長の言葉には深いものがあります。

同族企業の事業承継対策とは、「求心力があり、範を垂れる」優秀な後継者を育てることが最も大切です。それができなければたとえ財産としての株式を継承できても明るい未来はありません。所有(株式という財産)と経営との分離に進まざるをえません。

2005/2/24 木曜日

軽井沢で相続税の物納が増えています。

「国有地 照会先 財務省関東財務局」の看板が軽井沢に目立ちます。財務局の一般競争入札で売却されるはずですが、売れ残りがたまってきています。2004年10月時点で入札対象物件は55件で21万㎡。

相続人にとって別荘は不要不急の財産。物納申請したくなる気持ちはよく分かります。

しかしこのまま買い手がつかず放置されれば別荘地が虫食いになり、この避暑地の景観が守られるかどうかが心配されています。

(日本経済新聞2005.1.28.夕刊)

2005/2/3 木曜日

銀行と信託銀行とでの遺産整理業務

日経金融新聞2005.1.27.ではUFJ信託銀行担当者への遺産整理業務についてのインタビュー記事。

――なぜ遺産整理業務に力をいれるのですか。

「早く収益に結びつくからです。遺言信託は遺言が執行されるまで手数料収入はわずかですが、遺産整理は3ケ月から半年で手続きが終わり、結果が早く出せます。」

UFJ信託銀行の遺産整理業務は急増です。その理由はUFJ銀行と連携して、銀行顧客が亡くなるとその家族にこの業務を紹介しています。これが全体の3-4割にまで膨らんだということです。

年間に亡くなるのは100万人。うち6-7万人が公正証書遺言を書いているとのことです。一方で遺産整理の受託件数は大手信託6行で1200件あまり。まだまだ開拓余地のあるマーケットのようです。

「昨年末に信託業法が改正され、信託銀行以外でも資産関連業務の取扱いが認められました。UFJ銀行は従来、顧客を当行の遺産関連業務を紹介することしかできませんでしたが、法改正で一層の顧客拡大が期待できます。」

信託業法改正により、銀行と信託銀行とは競合と提携をしながらその業務を広げます。

2004/12/2 木曜日

相続税の増税とレバレッジドリース規制

11月25日に政府税制調査会の「平成17年度の税制改正に関する答申」がだされました。

税制改正は12月中旬の自民党の税制改正大綱で決定されます。今回の答申そのまま改正に内容になるものではありませんが、中長期的な改正動向はここから読み取れます。

・相続税

「これまで相続税の負担は、累次の減税や各種特例の拡充により大幅に緩和されてきた。……

少子・高齢化の進展や老後扶養の社会化に伴い現役世代の負担の増大が見込まれることに鑑みると、相続時に残された資産についてその一部を社会に還元する観点から負担を求める必要性も高まっている。

これらの点を踏まえ、より広い範囲に適切な税負担を求めるため、相続税の課税ベースの拡大に引き続き取り組むことが課題である。」

相続税については減税をし過ぎてしまったという基本認識が政府税制調査会にはあります。その上で相続財産の一部を社会に還元するという観点から、相続税の課税ベースの拡大…すなわち相続税の増税に取り組むことになりそうです。

・組合事業に関する租税回避の防止

「法人形態に限らず、多様な形態による事業・投資活動が行われるようになっているが、こうした中で組合事業から生じる損失を利用して節税を図る動きが顕在化している。このような租税回避行為を防止するため、適切な対応措置を講じる必要がある。」

これは航空機等によるレバレッジドリースを法規制する動きです。法人の利益先送り策としての匿名組合方式のレバレッジドリースは比較的安全な税対策でした。しかし個人は極めてグレーゾーンでした。

任意組合方式のものが個人への課税上で争いになり裁判で国税側が敗れました。そこでグレーゾーンだったものを明確な黒にするという改正でしょう。

法人での匿名組合方式はこれまでは問題なしでしたが、法人への、とばっちり規制の可能性もあります。これは平成17年から改正の可能性もあります。

2004/11/6 土曜日

信託銀行が有料コンサルティング業務

三菱信託銀行は中小企業オーナー向けの有料経営コンサル業務を開始しました。銀行本体が有料での経営コンサルの業務展開をするのは始めてとのことです。なお経営コンサルでなく相続不動産コンサル分野では既に有料コンサルが行われているようです。

対象は年商10-50億円の企業オーナー向け事業承継が中心で、企業の純資産価額10億円なら300万円、50億円なら500万円、報告書提供日の支払いです。

(金財ファイナンシャルプラン2004.11月号)

コンサル業務の一番難しいところは、コンサルそのものではなくて、報酬のいただき方です。このような定価制にできて、その通り報酬がいただけるのなら、それはそれで楽でいいのですが。